構図に答えは無いけれど
風景写真を撮影していて時々悩むのが
空との境界線はどの位置にすればいい?という問題。
水平線や地平線、山の稜線だけでなく、街の風景でも空との境界線をどの位置に持ってくるのがいいのか?
でも、実際は明確な答えはありません
水平線を構図のどの位置に持ってこようが表現者の自由です。
そうはいっても、水平線がおしゃれに見える(感じる)位置ってあると思います
でもそれは常に自分の中で変化するものではないでしょうか?
撮影者の美意識や好みも時代によって変化しますし、写真表現の流行等も影響することでしょう。
悩ましい問題です。
その対処法として個人的には以下のことを意識しています。
①撮影する風景のどこに自分は魅力を感じたかを考えてみる
例えば奇麗な朝焼けの空であれば、空の比率が多くなるでしょう。
朝焼けの色彩が映り込んだ湖の水面に心打たれたなら海の面積が大きくなりそうです。
もちろん、魅力を感じた部分の面積を広くすればいいというものでもないのですが、
フレーミングの一つの判断となるでしょう
②いろいろな構図を撮影して、後で見比べる
いろいろな構図を複数撮影し、後で好みをチョイスする方法です。
現実的な方法ですが、風景写真にもシャッターチャンスがありますので、
ある程度は撮影する前に構図のイメージが決められるといいですね。
③人の写真をたくさん見る
目標とするカメラマン、好きな写真家の作品をたくさん見て勉強するのもお勧めです。
構図に対して自信を持つことができるでしょう。
作例をみて構図の与える印象を考える
実際に空と地上面の比率を変えながら撮影した写真です。
空との比率が変わるだけで随分と印象が変わります。
各構図の与えるイメージを個人的な感想を交えて解説していますが、
実際は写真を見る人それぞれに受け止め方も変わってきますので、
その部分も考慮して参考としてください。
奥に見える建物をど真ん中に配置した構図
以前紹介した、「日の丸構図」と同様に堂々として安定感のあるイメージがあります。
過去記事【写真の構図マスターその②】日の丸構図
https://kitasan.jp/archives/1574
先程の写真よりも空の比率を多くすることで
風景の広がりをより感じさせるイメージになりました。
今度は最初の写真よりも地面の比率を多くしています。
レンズの焦点距離によるパースペクティブの影響も考えられますが、
噴水手前の敷き詰められた小石が強調される形になりました。
奥の建物を真ん中に配置した「縦位置」の構図です。
縦位置にすると横の広がりよりも風景の奥行きを感じさせやすくなります。
空を多く入れた構図です。
雲や空の色合いによっては主題が空になりそうですね。
逆に地面の比率を多くしたものです。
こちらは小石が作り出す模様が主題になっているようです。
カメラの水平を常に意識して
上の写真は基本的にカメラを水平に構えて撮影しています。
建築物はもちろん、自然風景においてもカメラを水平に構える意識は常に持っておくべきです。
作品制作においては水平が合ってなくても本人が良ければそれでいいわけで、また水平が崩れて斜めになっていることが作品に良い効果を与えていることもあります。
しかし、普段何気なく撮影されている記念写真や集合写真。
また、都会のビル、ホールや舞台での撮影等においてカメラの水平を合わせることはプロカメラマンとしての基本でもあります。
電子水準器が付いたカメラなら水平出しが簡単にできます。
※写真のカメラはソニーα6400
普段はカメラを水平に構える意識をもって、
作品によっては意図的に水平を崩すように心がけてみましょう。
水平垂直に配置されている噴水に対して、カメラも水平に構えて撮影。
安定感のある構図です。
わざとカメラを斜めに構えてみました。
水平垂直が崩れることで不安定感が出てきました。
不安定感があることで、画面に動きが出てきます。
水面に浮かんでいる花が大きく動き出しそうに見えます。
被写体の水平を崩すテクニックはよく考えながら効果的に使えるといいですね。
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